東京 | ご当地ラーメン探訪

東京ラーメンとは オーソドックスな醤油ラーメンであり、日本式ラーメンの原型とも言える存在。「中華そば」「支那そば」の呼び名でも表示される。1910年に当時流行の最先端だった浅草に店を構える「来々軒」が発祥とされており、叉焼（チャーシュー）、支那竹（メンマ）を初めてトッピングするなど、日本式ラーメンの基礎を築いた店とされる。鶏ガラを中心に野菜や豚骨でじっくり煮出した透明感のあるスープを使用し、麺はスープに絡みやすい中細の縮れ麺が一般的である。また、近年は動物や野菜のダシに加え、魚介をスープのダシとすることが多い。 様変わりする「東京ラーメン」 古くから「東京ラーメン」というのは間違いなく存在していた。それらはあっさりとした醤油味に細めの縮れ麺、シンプルな具で構成される。スープは煮干しや昆布など海産物系が使われ、弱火で煮出した透明感のあるスープが特徴である。しかし、いまの時代、東京で食べられるラーメンに関していえば、無国籍・全国版である。ほとんどどこの地域の麺類でも食べられるようになった。全国各地の有名店が次々と都内に出店し、群雄割拠の様相を呈している。 浅草の「来々軒」が東京初のラーメンと言われており、1910年の開店。日本のラーメンブームの発祥と言われる。現在は店を閉めてしまったが、その流れを汲む店が千葉の稲毛にあり「進来軒」として現在も東京ラーメンを出している。 ●中国料理 進来軒(1968年創業)（千葉市稲毛区） https://ramendb.supleks.jp/s/9759.html その後、東京では多発的にラーメン店が登場した。老舗では「大勝軒」（人形町：1912年）、「萬福」（銀座：1929年）、「春木屋」（荻窪：1949年）など。老舗の「萬福」はすでに三代目になるが昔とかわらぬ味を銀座で提供し続けている。三角形の卵焼きが印象に残るラーメンである。 ⚫︎東京の老舗ラーメン店 味の萬楽 https://ramendb.supleks.jp/s/72349.html （秋葉原:1912年創業） かいらく https://ramendb.supleks.jp/s/11287.html （王子:1935年創業） 春木家本店 https://ramendb.supleks.jp/s/5324.html (荻窪:1931年創業) 中華麺店 喜楽 https://ramendb.supleks.jp/s/41.html （渋谷:1952年創業） 共楽 https://ramendb.supleks.jp/s/5268.html （銀座:1956年創業） 平和軒 https://ramendb.supleks.jp/s/55421.html （大崎広小路:1927年創業） 中華そば 萬福 https://ramendb.supleks.jp/s/5356.html （銀座:1926年創業） らーめん田丸 https://ramendb.supleks.jp/s/3370.html （目黒:1945年創業） 来集軒 https://ramendb.supleks.jp/s/216.html （浅草:1950年創業） 永福町 大勝軒 https://ramendb.supleks.jp/s/1086.html （永福町:1955年創業） はつね https://ramendb.supleks.jp/s/3693.html （西荻窪:1961年創業） 谷ラーメン https://ramendb.supleks.jp/s/96429.html （有楽町:1967年創業） 一方、背脂チャッチャ系の元祖である「ホープ軒本舗」（吉祥寺：1938年）から「ホープ軒」（千駄ヶ谷：1960年）や「土佐っ子」（ときわ台：1970年頃）が誕生し、東京背脂系を形成する。「ホープ軒」からは「弁慶」（堀切：1972年）、「香月」（恵比寿：1973年）など、一世を風靡するお店も誕生した。※背脂チャッチャ系とはスープにコクを出す為、煮込んだ豚の白い背脂をスープに入れること。網で背脂をチャッチャッと振りかける動作（音）から定着した呼び名。 ⚫︎東京背脂系ラーメン店 ホープ軒本舗 https://ramendb.supleks.jp/s/2158.html （吉祥寺：1938年創業） ホープ軒 千駄ヶ谷本店 https://ramendb.supleks.jp/s/3357.html （千駄ヶ谷：1960年創業） 東京環七ラーメン じょっぱり https://ramendb.supleks.jp/s/129113.html 土佐っ子ラーメン（ときわ台：1970年頃創業、閉業）→系統：東京環七ラーメン じょっぱり らーめん弁慶 堀切店 https://ramendb.supleks.jp/s/4189.html （堀切：1972年創業） ら～めん 香月 池尻大橋店 https://ramendb.supleks.jp/s/93878.html 香月（恵比寿：1973年）恵比寿店閉店 → 系列：ら～めん 香月 池尻大橋店（東京都目黒区） 荻窪では「春木屋」以外に「丸福」「丸長」「丸信」「佐久信」「二葉」「漢珍亭」などの人気店があり、荻窪ラーメンという名称で呼ばれていた。（漢珍亭、佐久信 閉店）どちらも老舗で「春木家本店（1931年創業）」と「春木屋 荻窪本店（1949年創業）」があるが兄弟親戚関係で独立採算なのでどちらも本店と名乗っている。 ⚫︎当時の荻窪ラーメン店の例 中華そば 丸福 荻窪本店 https://ramendb.supleks.jp/s/19270.html (創業1951年) 中華そば 丸信 https://ramendb.supleks.jp/s/4178.html (創業1950年) 二葉上荻店 https://ramendb.supleks.jp/s/8001.html （創業1983年） つけそば 丸長 目白店 https://ramendb.supleks.jp/s/91.html 中華そば店丸長（まるちょう 1950/ 閉店）→後継の一つ つけそば 丸長 目白店（1954年創業） 三ちゃん https://ramendb.supleks.jp/s/5325.html (創業1960年) 春木屋 荻窪本店 https://ramendb.supleks.jp/s/154.html （創業1949年） 「丸長」からつけめんの「大勝軒」が分かれていき、こちらも後に一大勢力になっていく。1990年代には車で食べに行くことも多かったため街道沿いに人気ラーメン店が集中した。環七ラーメン戦争などという言葉が生まれたのもこの頃である。 ●中野大勝軒（中野:1951年創業） https://ramendb.supleks.jp/s/2551.html 環七ラーメン戦争 環七ラーメン戦争とは1990年代初頭、東京の外側を半周する都道「環七通り」沿いに出現した数々のラーメン店とその熱気と人気を指す。深夜まで路上駐車の列ができ、住人との揉め事も起き、社会問題となる。全盛期には100軒以上のラーメン店がしのぎを削ったとされ、今でも70軒以上のラーメン店が営業する激戦地との事。当時の代表店「なんでんかんでん」「土佐っ子」は閉業して後継店が別の場所にできているが、当時から根強く現在も営業している店舗があるので例として店舗を以下に示します。 せたが屋 本店 https://ramendb.supleks.jp/s/84.html (世田谷区野沢) ラーメン一番 https://ramendb.supleks.jp/s/1713.html （練馬区小竹町） 博多まるきんラーメン上馬店 https://ramendb.supleks.jp/s/1559.html （世田谷区野沢） 元祖まぐろラーメン https://ramendb.supleks.jp/s/1946.html （板橋区大和町） ホープ軒 環七丸山店 https://ramendb.supleks.jp/s/119210.html （中野区野方） 野方ホープ 野方本店 https://ramendb.supleks.jp/s/1685.html （中野区野方） さつまっこ 平和島駅店 https://ramendb.supleks.jp/s/5890.html （大田区大森本町） 味噌一 高円寺本店 https://ramendb.supleks.jp/s/119.html （杉並区高円寺南） くるまやラーメン https://ramendb.supleks.jp/s/18272.html （足立区青井） 1986年「食材の鬼」と呼ばれた佐野実氏の「支那そばや」（藤沢→横浜）の登場により、ラーメンに対する「こだわり」が芽生え始めた。 ●※支那そばや 本店（佐野氏の出生の地に本店を再開） https://ramendb.supleks.jp/s/17309.html 96年組 1996年に創業した「麺屋武蔵」（青山）「青葉」（中野）「くじら軒」（横浜）の存在が後に影響を与えることが多く（96年組と呼ばれている）、インターネットの普及とともにラーメンも大きく進化・発展していった。店舗数も県別では圧倒的で最近では若い人の出店も多く、最新のトレンドを生み出している。 創始麺屋武蔵（新宿） https://ramendb.supleks.jp/s/83.html くじら軒 横浜本店（横浜） https://ramendb.supleks.jp/s/1394.html 中華そば 青葉中野本店（中野） https://ramendb.supleks.jp/s/80.html 中国から伝来したラーメンに「醤油」を使うことで「日本式ラーメン」が誕生したと言われている。東京におけるラーメンの特徴は「醤油」であろう。スープは鶏ガラベースで豚骨を加える場合でも清湯（半透明の澄んだスープ：醤油色）が多く、そこに野菜や魚介系の和風出汁などを加えるのが一般的。煮干しや鰹節など魚介系もよく使われていた。96年組（創業年）と呼ばれている「麺屋武蔵」や「青葉」は動物系と魚介系を別取りし、直前にブレンドするという方式で香りを立たせていた。それを「Wスープ」と呼んでいる。 11年組 2000年に入ってからは若い店主が店を出すことが増え、斬新なラーメンが増えていった。特に2011年に創業した「ソラノイロ」「くろき」「マタドール」は11年組と呼ばれ、新しいスタイルを築き始めた。 ソラノイロ ARTISAN NOODLES https://ramendb.supleks.jp/s/34127.html 牛骨らぁ麺 マタドール本店 https://ramendb.supleks.jp/s/51177.html 饗 くろ㐂（もてなし くろき） https://ramendb.supleks.jp/s/153488.html 多様化・原点回帰・進化 2015年には世界で初めてラーメンがミシュランで星を獲り、世界的にも注目された。千円の壁と言われていたが、もはや人気店では千円超えを果たしている。最近では「原点回帰」などという言葉とともに見た目は昔懐かしいタイプに見えるラーメンも増えてきたが出汁の取り方や、スープの濃度（清湯でも高い濃度がある）に大きな違いがあり、原価の掛け方が変わってきた。また醤油その物にこだわったり、香味油にも工夫するようになってきた。 水と鶏しか使わない「水鶏系」という言葉が出てきたのも最近だ。鶏ガラだけではなく、丸鶏を使ったり、産地を厳選したり、こだわりにはとめどない。 ⚫︎新しいタイプの醤油（東京）ラーメン店 例 Japanese Soba Noodles 蔦 https://ramendb.supleks.jp/s/121857.html 創作麺工房 鳴龍 https://ramendb.supleks.jp/s/57011.html Homemade Ramen 麦苗 https://ramendb.supleks.jp/s/92033.html 中華そば しば田 https://ramendb.supleks.jp/s/71786.html 竹末東京Premium https://ramendb.supleks.jp/s/73742.html SOBAHOUSE 金色不如帰 新宿御苑本店 https://ramendb.supleks.jp/s/110592.html 煮干鰮らーめん 圓（にぼしいわしらーめん えん） https://ramendb.supleks.jp/s/20284.html 麺処 ほん田 秋葉原本店 https://ramendb.supleks.jp/s/124882.html 麺や 維新 https://ramendb.supleks.jp/s/14836.html ⚫︎水鶏系ラーメン店 例 ラーメン屋 トイ・ボックス https://ramendb.supleks.jp/s/71858.html NOT ONLY TOKYO 乗鳥東京 https://ramendb.supleks.jp/s/149486.html NIPPON RAMEN 凛 TOKYO https://ramendb.supleks.jp/s/125100.html 約2000店、おそらく世界で一番多くのラーメン店が存在する東京。今後も進化を続けるでしょう。